こちらはすず竹で編まれた丸型のざるです。
こちらのページでは「七寸」と「八寸」の2サイズをご紹介します。
どちらのサイズも、編み方や縁作りは同じです。すず竹を細いひごにして、竹ひごの皮面を表に、「ござ目編み」で編んでいます。つるつると手触りのよい編み目が続いています。竹の皮は水をはじく性質があるため、ざるには最適の素材と言えます。縁部分は「矢筈巻き(やはずまき)」という仕上げ方で丈夫に巻かれています。芯材には真竹を使っており、その上からすず竹のひごを巻いて仕上げています。裏面です。竹ひごの皮ではなく身の部分が見えています。それでは、サイズごとにご紹介します。こちらが七寸です。蕎麦などの麺類であれば、1人分を載せられます。七寸の丸ざるに蕎麦を100gほど載せています。(ざるの下には平らなお皿を敷いています。)葉や経木、ペーパーを敷いておにぎりを載せるのも。なにも敷かず、食材をそのまま置いても良いかと思います。こちらが八寸です。蕎麦などの麺類であれば、1~2人分を載せられます。こちらは丸ざる八寸に蕎麦150gを載せています。パン皿としても活躍します。焼き立てパンの蒸気も適度に編み目から逃してくれます。編み目からパン屑がこぼれることもあるので、気になる場合は下に受け皿を敷くといいかもしれません。蕎麦やうどんざるにしてもいいですし、
パンやおにぎりを載せてプレートのようにお使いになるのも、
お菓子を盛ってテーブルに出しても良さそうです。
すず竹はその竹表皮のつやつやとした光沢、
柔らかく弾力性に富んでいて心地よい手触り、そして丈夫さが特徴です。
またその色味が徐々にあめ色に移り変わっていく経年変化も楽しみのひとつ。
使いこんであめ色に変化してもなお、水洗いすると表皮が艶を帯びるほど優秀な素材です。
使い勝手もよく、長くお楽しみいただける手馴染みの良いざるです。
どちらかお好みのサイズをお選びくださいませ。
<岩手県鳥越のすず竹細工>
岩手県二戸郡一戸町にある鳥越地区。
すず竹細工の有名な産地として知られています。鳥越地区に生息するすず竹は特に強くてしなやかといわれ、
この竹を使って1000年以上も前から丈夫で実用的なすず竹細工がなされてきました。
しかし、2015年頃から数年にわたって岩手県各地ですず竹が一斉に枯れるという現象が起こり、
材料である良質なすず竹を確保することが難しくなってしまった今、
すず竹細工がより貴重なものとなっています。
寿命を迎えると小さく黄色い花を咲かせた後に枯れてしまうそうで、120年に一回現れるという竹枯れの後、
若芽が竹細工に使用できる背丈になるまでには10年、20年とかかるとも言われています。
長年、すず竹細工に携わってきた作り手の皆さんにとっても経験のない事態。
しかし、伝統的な細工を絶やすまいと、山を丁寧に歩き、
通常の何十分の一の量しか取れないすず竹を使い、細工を続けてくださっています。
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